毎日の仕事の中で、こんな悩みはありませんか?
- 転職しようと決めた。でも何から始めればいいのか分からない
- 副業したいけど、会社にバレたらヤバそうで動けない
- 起業を考えたけど、リスクが怖くて踏み出せない
「やるべきことは見つけたのに、行動できない」
こういう相談、実はかなり多いです。
ぼく自身も同じでした。
転職するまでに時間がかかったり、「副業バレたらどうしよう」「起業して失敗したら終わりだ」とグダグダ悩んで動けなかった過去があります。
でもSNSを見ると、周りはキラキラして見えますよね。
「転職成功して年収100万アップ」「副業月収30万」「起業初月で50万」…
その一方で自分は動けていない。比較して落ち込む人も多いはず。
安心してください。
動けないのは意志が弱いからではありません。
年間700回以上の相談に向き合ってきた現役キャリアコーチの視点で、
「なぜ動けないのか」「どうすれば失敗確率を下げられるのか」を分かりやすく解説します。
なぜ転職やキャリアの決断は、こんなに難しいのか?
結論から言うと、人間の脳は現代の仕事選びに向いていません。
現代は選択肢が多すぎます。
業界・職種・働き方・年収・やりがい・将来性…。
選択肢が増えるほど人は自由になるどころか、不安と混乱が増えます。
この状態は心理学で「トンネル効果」と呼ばれ、
視野が狭くなり、一部の情報だけで判断してしまう状態です。
さらに厄介なのが「バイアス」。
バイアスとは脳の“バグ”のようなもので、偏った見方を生み、判断ミスを増やす原因になります。
転職で特に影響が大きい2つのバイアス
① 確証バイアス
「自分の考えに合う情報ばかり集め、反する情報を軽視する」クセです。
たとえば、
「この仕事は安定しているはず」
「この業界なら成長できるはず」
と思うと、都合の良い情報ばかり集めて、リスクを見ないふりをしてしまいます。
② ネガティビティ・バイアス
人はポジティブよりネガティブに強く引っ張られます。
恋愛では「ネガティブ1回」を埋めるのに「ポジティブ5回」が必要と言われ、
ビジネスではさらに厳しく6:1。
仕事で1回ミスをすると、6回の成功がないと気持ちが戻らないほど、ネガティブは強力です。
さらに脳科学では、
- ネガティブ情報は3〜4秒で処理
- ポジティブ情報は記憶に残るまで約12秒
というデータもあります。
ネガティブはウイルスのように素早く入り込み、広がるんです。
そして日本では、転職理由の約80%が「不満」などネガティブ要因(内閣府の調査)。
つまり多くの人が、ネガティブに引っ張られた状態で転職を考えています。
転職で幸福度を上げる鍵は「何を得るか」より「何を避けるか」
どんな仕事にも必ずマイナス面があります。
- やりがいはあるが、労働時間が長い
- やりたかった仕事だが、上司と合わない
- 同僚は好きだが、会社の価値観が合わない
だから、ポジティブな情報だけ見て転職すると、
「思ってたのと違う…」になりやすい。
大事なのは、
**「何を得るか」より「致命的なネガティブを避けること」**です。
そして転職の失敗の約7割は、視野が狭くなったことが原因とも言われます。
よくある失敗パターンはこの3つ。
- お金につられる転職
- 今の環境から逃げるための転職
- 自信がありすぎる/なさすぎる転職
冷静なつもりでも、脳のクセで判断を誤ります。
転職の失敗確率を下げる方法は「3つ以上の選択肢で考える」こと
結論はシンプル。
徹底的に考え抜くことです。
さらに具体的に言うと、
2択で決めないことが重要です。
オハイオ州大学の研究では、
2択だけで意思決定した人の失敗確率は52%。
一方で、3つ以上の選択肢を用意すると失敗確率は32%まで下がったと報告されています。
つまり、視野を広げるだけで失敗は減らせます。
そこで次から、視野を狭める「バイアス」を解除するための
具体的な5つの方法を紹介します。
バイアスを解除する5つの具体策
① プロコン分析(Pros / Cons)
1つの選択肢について、メリット・デメリットを書き出す方法です。
感情の整理に強い一方、最終決定には向きません。
やり方
紙を縦に2分割し、左にメリット、右にデメリット。
最低5つずつ書きます。
例:A社に転職
メリット:年収UP/スキルが身につきそう/知名度がある
デメリット:残業が多そう/上司が厳しそう/転勤ありそう
「気持ちだけで決める」を防ぐ、入口のツールです。
② マトリクス分析(基準で選ぶ)
感情ではなく、自分の基準で比較する方法です。
STEP
1)縦軸:重視する基準を書く(例:労働時間、安定、裁量、人間関係など)
2)横軸:選択肢(A社、B社、現職など)
3)各項目を1〜5点で評価
4)重要度を1〜3点で決める
5)評価×重要度で合計点を出す
「年収が高いから」だけで決める危険を避けられます。
③ 10/10/10テスト(時間軸を広げる)
目先の感情から距離を取る方法です。
- 10分後どう感じる?
- 10ヶ月後どう感じる?
- 10年後どう感じる?
10年後に違和感があるなら、いったん立ち止まるサインです。
短期の勢いで決める失敗を防ぎます。
④ プレモータム(失敗を前提に考える)
「この転職は失敗した」と仮定して原因を洗い出す方法。
未来の予測精度が上がるとされる実践的テクニックです。
手順
1)3年後、最悪の未来を書く(5〜10分)
2)なぜ失敗したか原因を書く
3)失敗までのプロセスを時系列で書く(半年→1年→3年)
4)対策を考える(面接で聞く質問・調査・準備など)
楽観・確証バイアスを壊し、見落としを減らします。
⑤ イリイスト転職ノート(三人称で書く)
「私は」禁止で「彼は/彼女は」で書く方法です。
他人視点になることで、客観性が戻ります。
1日15分、書く内容5つ
1)何を決めたか
2)どういう流れで決めたか
3)何を根拠にしたか
4)何を期待しているか
5)どんな感情があったか
例:
彼は年収アップに惹かれている。だが労働時間は深掘りしていない。
不安より「今の環境から逃げたい」感情が強い。
即効性は弱いですが、続けるほど判断力が鍛えられます。
まとめ:失敗しないために、まず「考え方の偏り」を外そう
転職の失敗確率を下げる方法は、突き詰めるとこれです。
- ネガティブに引っ張られて視野が狭くなる
- 2択で決めると失敗しやすい
- 3つ以上の選択肢で、徹底的に考える
- そのために「5つのバイアス解除法」を使う
「行動できない」のは、あなたの弱さではありません。
脳のクセを知らずに、難しい選択をしているだけです。
もし「これ以上転職で失敗したくない」と思ったら、
まずは走り出す前に一度立ち止まって、
自分にとって致命的なネガティブを避ける視点で整理してみてください。
